『句集 松島』長谷川櫂著(花神社)を読んだ
長谷川櫂は、おもに俳句の入門書みたいな本で読んでおり、おもしろいと思っていた。
なので、これは本人の句集も読まなければ、ということで読んでみた。
なんというか、変な話とても「納得」という感じの作品群だったように思う。
べつに本人の理論的な話と作品にズレがあるわけでもなく、ふむふむたしかにかの本に書いてあるとおりだ、となるのだけれど・・・
個人的には、そこまで作品に力を感じなかったというか・・・
迫力がない、とでもいえばいいのか。押しても引いても突き抜ける、なんというか霞のようなというか。
いやもちろん、これを気に入る人はたくさんいるだろう。けれど、さすがにここまで気迫がないと、読み進めるモチベーションが湧いてこないではないか(すくなくともぼくは)。
ただともかく著者が芭蕉を尊敬しており、それを現代に受け継ごうとしているのだ、ということは強く伝わってきた感じがする。
でも勉強不足のぼくでさえ感じられるほど芭蕉の俳句は多様で、著者が受け継いでいるのはそのうちの一側面(もちろん重要な一面ではある)でしかない。
そんな風に思った。