konaxyzのブログ

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『かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。』藤田貴大著(白水社)を読んだ

藤田貴大は、演劇界のスターだ。

極めて完成されたスタイルの舞台を作り出すことができる劇作家で、今もっとも注目されている芸術家の一人といってもいいと思う。

この戯曲は岸田國士戯曲賞を受賞した作品で、登場人物や世界を共有する3つの中編が合わさって1冊の戯曲となっている。

叙情的な言葉にあふれ、しかもそれが繰り返されながら変容していくのだから、もうとにかくすごい。

とかなんとか言っておきながら、僕自身は生で見たのは他の人の詩を使った舞台だけで、あとはYouTubeの断片的な映像を見たのみ。そのうち機会があれば行きたいと思ってはいるものの、まだ行けていない状態。

今度野田秀樹の『小指の思い出』を東京でやるみたいで、そこにはこれまたぼくが興味を持っている飴屋法水も出演するようだ。見に行きたいのだけど、ちょっと時間が取れなそうで今回は見送ることになるかもしれない。

戯曲にしても舞台にしても、何となくクローズドすぎる印象を受けたりもするのでそこが引っかかってはいるけれど、生でしっかりした舞台を見ればまた印象も変わるのかもしれない。